大怪獣のあとしまつ

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2022年 日本

監督・脚本:三木聡

出演:山田涼介 / 土屋太鳳 / 濱田岳 / 眞島秀和 / ふせえり / 六角精児 / 矢柴俊博 / 有薗芳記 /  SUMIRE / 笠兼三 / MEGUMI / 岩松了 / 田中要次 / 銀粉蝶 / 嶋田久作 / 笹野高史 / 菊地凛子 / 二階堂ふみ / 染谷将太 / 松重豊 / オダギリジョー / 西田敏行

 

公開初日で「クソ映画」に認定されてしまった。

この映画は後世に語り継ぐ伝説の映画になるであろう…

僕は公開2日目に観に行ったので、初日の盛り上がりに便乗できずに奥歯を噛み締めました。

 

いや、この映画普通に楽しみにしていたんすよ。まじで面白そうって期待してたんです。斬新な切り口な新しい特撮映画なのかなって。

ただ、トレーラーを見てあやしいとは思ってはいましたよ。B級映画であることは間違いないだろうと。多少の地雷臭は覚悟してはいたけど。

まさか初日から「クソ映画」というワードでトレンド入りするほど話題になるなんて思ってもいなかったもんで。そんなことありますか、この熱狂ぶり。スターウォーズかよって思いましたよ。ワクワクしすぎて武者震いしました。

 

で、観に行ったんだけど。

「まじでクソだった」

 

クソ映画だと分かったうえで見に行ったけど、評判通りのクソ映画だった。

まさかこんな消化試合を味合わされるなんて、貴重な経験でした。

これは問題作だ…。

 

とにかくエンディングが酷かった。エンディングがクソすぎる。

まじでエンディングが酷すぎて「いままでの茶番は一体なんだったんだよ!」と思った次の瞬間、画面が暗転してゆっくりとエンドロールが流れたときまじで声出して笑いました。エンドロールでこんなに笑ったのははじめてですよ。なに終わった感だしてんだよと。こんなシュールなエンドロールあるかよ。もう一回言いますけど、終わった感出してんじゃねえよ!

エンドロール出したら終われると思うなよ。

 

いや、見てる途中は「あれ?これ普通に面白いかも?」って思った部分もあったんです。

いや、そもそもこの映画自体のテーマはすごく面白そうだと思ってますからね。だから楽しみにしてたわけで。「怪獣が死んだあとの後始末に困る話」って、凄く面白くなりそうなテーマじゃないですか。

だから、すごく勿体ない!なんでこうなった!期待値からの失望の落差が凄すぎる。そう、僕らは勝手に期待しすぎたんです。きっとシンゴジラみたいな感じなのかなって一瞬でも期待してしまった。シンゴジラが面白かったから。そうか、この映画が悪いんじゃない、シンゴジラが面白すぎたせいなんだ。シンゴジラが面白いのが悪い!だめだ、いますっごくシンゴジラが見たい。庵野秀明にこの映画リメイクしてもらえないだろうか。

 

山田涼介と土屋太鳳の演技が微妙だった?いや、そんなことはもはやどうでもいいんです。そんなことはまじで関係なくて、出演者はむしろ全員頑張っていた。というかこんな豪華なキャスト揃えてなにがどうしてこうなった。

 

なんでこの映画が駄作になってしまったのか。すごく悔しい。もっと面白くなった筈なんです。百歩譲ってラストのオチもあのままでもいいから、もっと面白くなった筈。

 

一番の原因は「ギャグが滑っていた」ところだと思う。ことごとく滑り散らかしていたのがキツかった。狙いすぎなんですずっと。政府の役人達とかがふざけて戯れあっているのが見てられなかった。登場人物が全員がふざけてるのでただただカオスなんです。全員がボケていてツッコミがいないんです。

もっと普通でよかった。だって「大怪獣が死んでいる」という状況だけで十分面白いんだから。これは出オチなんです。大怪獣が壮大にボケているんです。それに対して真剣にツッコミをしなくてはいけないのは周りの人間なのに、人間達までボケてたら収集つかないじゃん?ってことだと思う。

みんなもっと大怪獣のこと真面目に考えてくれよ!!

怪獣に対して茶化されてるような気分になり終始ヤキモキした。

 

映画が終わってエンドロールが流れたあと、客席から罵声の野次が聞こえてきた。

いままで色んな映画を見てきて、終わったあと拍手が起こったりとかは経験があったけど、野次が起こるのははじめての経験でした。貴重な体験だった。

 

この映画を見た人たちがSNSで「この映画がどんだけクソだったか」の感想を書いているのが大喜利合戦のように盛り上がっていて、それも含めて僕らはなんだかんだこの映画を楽しんでいるのかもしれない。クソ映画だと面白がっていることに、なんだかわからない謎の敗北感を味わっている。