シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

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2021年 日本

監督:庵野秀明

出演:緒方恵美 / 林原めぐみ / 宮村優子 / 三石琴乃 / 山口由里子 / 立木文彦 / 石田彰

 

きっとネタバレ全開で感想を書くので、

まだ観ていない人はこのブログを読まないでください。

 

 

エヴァンゲリオンがついに終わるってよ。

本当にちゃんと終わるんだろうか。

 

もう何回繰り返し見たことか。何度見ても面白い。そして何度見ても話がわからない。わからないから何度も見返す。見返すたびにやっぱり面白い。でもやっぱりわかんない。その地獄の無限ループを25年繰り返してきた。僕らオタク達の想いが重すぎる。

いつも庵野秀明に勝手に期待して裏切られ、歓喜しては絶望し、それでも庵野監督はなにかしてくれるといつも期待しているのは、やっぱりエヴァンゲリオンが面白いからなんすよね。

自分のなかで、ここまで思い入れのあるシリーズが四半世紀の時を経て完結するのを目撃できるなんて、こんな規模は今後の人生でもう無いんじゃないかと。スターウォーズのとき以来か。いや、スターウォーズよりも思い入れがデカい。こんなに長い年月夢中になった作品は他になにがあるだろうかと思い返してもあまり浮かばない。映画とか漫画とかあらゆる娯楽を見渡しても。

そういえば、TV版が放送されたのが1995年だから、僕はそのとき15歳で、シンジくんと同世代だったんだけど、気がついたらミサトさんの年齢もとっくに越えて、ゲンドウの年に近づいていた。そういえばQのとき、シンジだけ14年凍結して浦島太郎状態になっていたけど、序から14年くらい経ってることに気がついてゾッとした。時間の経過すらもリアルに表現してんのだろうかこの作品は。

 

そんで、今回のシン・エヴァンゲリオン

みんな大人になってしまった。子供のままだったのはどうやら俺だけだった。もう俺たちのエヴァンゲリオンは終わったんだ。涙拭けよ。さあ、整列だ。

 

ああ、情報量が多すぎて思考が停止しています。

これはまたしても「よく分からないけど、きっとなにか深い意味があってー」という、考察班の解説待ちだ。いや、いまはまだ分からなくていい。ミサトさんとリツコさんが早口でサラっと重要そうな話をしていた気がするが、何を言っているのかよく分からなかったけど気にするな。どうせまた何回も観るんだ。何回見ても分からないかもしれないけどどうせ何回も観るんだ。流れに身をまかせて今はエヴァンゲリオンの鑑賞を楽しむのだ。コロナ禍の影響で映画館に行ったのも久しぶりだったから、映画館で映画を観ること自体が楽しくて仕方なかった。

あの3本目の槍はなんだったのかとか、(そもそも2本目の槍もよく分かってない)そういえば黒き石って新劇で説明してたっけ?とか、マリの正体は漫画版を読まないと分からない筈だろとか、色々気になる点がいくつもあるけど、そんなことはどうだっていいんだ。

いまはこのグルーヴ感を楽しむんだ。レーザービームの「ピシューーン!!」という鋭い高音が心地良い。庵野秀明はレーザービームや爆発のカッコ良さを表現させたら世界一だと思う。ナウシカ巨神兵しかり、シン・ゴジラしかりだ。

そして、やっぱりエヴァンゲリオンが発進するときが一番アガる。全身が震えるほど鳥肌が立った。しかし、最近の映像が凄すぎてエヴァが縦横無尽に暴れれば暴れるほど映像がカオス。解像度が細かすぎて情報が目で追えない。あれ、人間の動体視力でとらえるには不可能な映像ですよもはや。

途中で、ヴンダーが戦艦ヤマトばりの戦闘BGMとともに、似たような形状の戦艦(冬月が操縦してたやつ?)と戦いだしたときは笑った。盛り込みすぎだ。というか、冬月の戦艦、あれはなに?急になにがあった。そもそもヴンダーもなんなのか俺よく分かってないんだけど。

もうね、細かいことはもういいんですよ。俺たちはもう十分戦った。もういいんだ。この永久に終わらないエヴァの呪縛から解放されたいんだ。だからゲンドウがなんか「実は俺だって寂しかったんだ。」みたいなことを語りだしたけど、お前なに言ってんだ。お前が言うな。お前が一番言っちゃダメだろ。いい加減にしろ。

でもいいんだ。全部終わったんだ。エヴァの呪縛で14歳のまま時が止まっていたのはシンジくんではなく、我々観客だった。僕たちはエヴァンゲリオンが好きすぎて、この世界から抜け出せなかった。お前らもいい加減エヴァンゲリオンから卒業して大人になれ。ということなんだろう。

みんな大人になってしまった。トウジは委員長と結婚して子供もいる。アスカはケンスケと家族のような関係になっている。レイとの別れも母親からの親離れなんだ。シンジも最後大人になってマリと一緒に「さあ行こう!」って未来に向かって走って…

って、ラストシーンのマリエンドが実は一番エグられた。日清カップヌードルのアオハルのCMかと思った。なんでシンジが急にあんな爽やかなイケメンになってんだ。俺の知ってるシンジじゃない。違和感がすごくて鳥肌が立ったよ。きっと、俺たち非リア充が一番苦手な青春ドラマ風のラストにしたのはわざとなんだろう。そうやって無理やりにでも「お前ら、もうエヴァンゲリオンは終わったんだ」というショック療法なんだ。もうシンジもリア充になって俺たちの手の届かない遠い世界に行ってしまった。どんなに壮大なブラックホールみたいな宇宙空間みたいなところよりもよっぽど異次元に消えてしまった気分になった。

そしてなぜかわからないけど、勝手にアスカにフラれた気分にもなったのはなぜだろう。自分でも本当に分からない。どんだけシンジに感情移入していたんだ。

 

エンドロールの宇多田ヒカルの曲が良すぎて感動した。最近ライヴハウスにも行けないご時世、たくさんの人と一緒に暗い空間で大きな音で音楽を聴くことすら尊い

 

庵野秀明監督、お疲れ様でした。

エヴァンゲリオン、本当に楽しかったです。

シン・ウルトラマン楽しみにしています。