あの頃。
2021年 日本
原作:劔樹人
監督: 今泉力哉
出演:松坂桃李 / 仲野太賀 / 山中崇 / 若葉竜也 / 芹澤興人 / コカドケンタロウ / 大下ヒロト / 木口健太 / 中田青渚 / 片山友希 / 山﨑夢羽(BEYOOOOONDS) / 西田尚美
うだつのあがらないバンドマンが松浦亜弥のMVを見てハロプロにハマり、ドルオタの仲間ができて、あの頃は楽しかったね。っていう話。
僕も昔、バンド活動をしたり、アイドルにハマった経験があるので、この映画がピンポイントに刺さりすぎて胸が痛い。
バンドマンがアイドルにハマるという現象は親和性がありすぎるんです。なぜならバンドマンは繊細な生き物だからです。常に弱っています。弱っているときのアイドルソングは麻薬です。そして基本的にバンドマンはオタクです。ギターやベースを上手に演奏できる人ほどオタクなんです。そしてバンドマンは夢遊病をわずらっています。夢に向かって頑張っているアイドルに共感します。夢に向かって頑張っているアイドルのピュアな輝きが眩しすぎて直視できません。
僕もそうです。
僕はいまでもその過去の「バンド活動」と「ドルオタ活動」の経験による後遺症で、青春をこじらせて生活に支障をきたしている一人です。
だから分かるんです。アイドルを応援する気持ちも、バンドを続ける大変さも、夢を追いかける辛さも。それよりなにより、自分が好きだと思うものを共感できて共有できる友達の存在が一番の宝物なんだということも。
この映画、劔樹人さんの自伝的コミックエッセイ「あの頃。男子かしまし物語」が原作らしい。劔さんは、あらかじめ決められた恋人たちへというバンドのベーシストです。僕はあら恋のファンです。
そして、ハロヲタの仲間達は赤犬というバンドのメンバーなんですって。
彼らの「恋愛研究会。」というイベント、調べれば調べるほど錚々たるメンバーの名前がでてくる。サブカル界の重鎮が集まる組織だったみたいですね。
2000年初頭のハロプロ黄金期の熱量がとてもリアルに描かれている映画でした。