シン・ウルトラマン

2022年 日本

脚本・製作・編集:庵野秀明

監督:樋口真嗣

出演:斎藤工 / 長澤まさみ / 西島秀俊 / 有岡大貴 / 早見あかり / 田中哲司 / 竹野内豊 / 山本耕史

 

最初に言っておくと僕はウルトラマンを一度もちゃんと見たことが無い。

もちろん、なんとなくは知っていますよウルトラマンの存在は。3分しか活動が出来ないんですよね? ハヤト隊員がウルトラマンに変身して、3分以内に怪獣と戦って、怪獣を倒したら「ジュワ!」って空に飛んで行くんですよね? 怪獣?あ、宇宙人でしたっけ?バルタン星人は知ってますよ。あとレッドキング? あ、あとゼットンね。ゼットンが強いんですよね?ゼットンがラスボスなんでしたっけ?

まあ、そんなもんですよ、僕のウルトラマンの知識なんて。

ちゃんと見たことが無いんですよ。1966年って僕が生まれる前の作品ですからね。

 

そんなにわか知識で大丈夫だろうかと思ったが、あえてほとんど情報をなにも入れずに臨んだ。

シン・ゴジラのときもそうだった。ゴジラ作品を一度も見たことが無かった自分でもシン・ゴジラは面白かったから。だから今回もきっと大丈夫だろう。

 

とりあえず僕は、このキービジュアルを見て、この映画は絶対に面白いだろうと確信した。この絵すごいですよね。これたしかシン・ウルトラマンの制作が発表になって、一番最初に出てきたビジュアルのイメージだったと思うんですけど。この写真をリリースするセンスすごくないですか? 

なんですかこの狂気は。めっちゃゾクゾクする。シュールにもほどがあるだろと。なんでかわからないけど、ウルトラマンの立ち姿って哀愁があるよね。ウルトラマンの造形がとにかく美しい。曲線美がほんとうにセクシー。

 

ーーーーネタバレふくみますーーーー

 

結論から言うと、シン・ウルトラマン、くっっそ面白かった。

まじで面白かった。

ずっとワクワクした。ウルトラマン超カッコいい。

 

戦闘シーンのカッコ良さがやばいです。

スペシウム光線の一発目に放つときの初見の演出が激アツ。

やっぱり、庵野秀明の作品って爆発シーンの表現が異常にカッコいいですよね。

あと、ウルトラマンがはじめて登場するシーン、光った目で起き上がるウルトラマンがカッコよかった。巨大なものが起き上がるのってゾクゾクしますよね。ナウシカ巨神兵しかり、エヴァンゲリオンしかり、庵野秀明のそういうところ本当に大好きです。

しかし、ちょうどその、はじめてウルトラマンが登場する一番激アツなシーンの最中に、途中から入ってきた女の子3人組の客が目の前に立ってよく見えなかった。(目の前が通路だった)というありえないことが起こった。本当に悔しかった。映画館に途中から入ってくる人なんなの。信じられない。俺なら日を改める。

ああ本当に悔しい。これ一生引きずるかも。ってくらい本当に大事なシーンだった。

もう一回見に行きたい。初見の感動はもう二度と取り戻せないけど。

でもね、他にも見直したいシーンがたくさんあるんですよ。本当に情報量が多かった。冒頭とか、すごい早いテンポで色んな怪獣がサクサク出てきて「まってまって!」ってなったし。

それと、ウルトラマンが色が変わるのいいですね。なんか新鮮。消耗すると色が変わる仕様なんでしょうか?今回カラータイマーが無いので、その代わりってことなんでしょうか。最初のシルバーのウルトラマンが超カッコよかった。洗練されたデザインだなって思いました。

そう、デザインが素晴らしいですよね。ウルトラマンだけじゃなくて怪獣や宇宙人のデザインが本当に素晴らしい。例えばザラブ星人とか、更に研ぎ澄ましたフォルムになっていたり。ディテールの作り込みが本当にすごいって思った。元々のオリジナルのデザインが斬新で既に洗練されたデザインが多かったというのもあるけど。怪獣や宇宙人のデザインが美しいというのは、ウルトラマンの最大の魅力ですよね。

 

あと、ゼットンが完全にエヴァ使徒だった。ゼットンのデザインもまじでカッコよかった。

 

ウルトラマンって本当に奥が深いってことがよく分かりました。原作をもっともっと深く知りたいって思った。知ったうえで見るとさらに面白いんだろうなと。こうやって人はまたオタクになっていくんだと実感した。

 

そういえば庵野秀明って、芸大時代に8ミリカメラでウルトラマンの特撮を自主制作していたらしくて、その作品が学生とは思えないクオリティだったんだけど、40年の時を経て本当にウルトラマンの映画を作っちゃうなんて感慨深いですよね。そりゃあ面白い筈ですよ。

ウルトラマンへの愛が詰まった映画でした。ウルトラマンへのリスペクトを感じるシーンが随所にこめられていた気がした。