ヤクザと家族 The Family

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2021年 日本

監督:藤井道人

出演:綾野剛 / 舘ひろし / 尾野真千子 / 北村有起哉 / 市原隼人 / 磯村勇斗 / 菅田俊 / 康すおん / 二ノ宮隆太郎 / 駿河太郎 / 岩松了 / 豊原功補 / 寺島しのぶ

 

つまらなかったです。映画として。

単純につまらない映画だったとしか言えないです。

なんでこんなにつまらなかったのか、それを考えるのは僕じゃないです。そんなこと知るか。

 

なんか、全体的に全然リアルじゃないんですよ。誰にも感情移入できない。別にリアルであれば良いというわけではないです。ファンタジーならファンタジーでいいんです。でも、なんとなく時事ネタやメッセージ性を盛り込んでいるので、リアル路線じゃないと説得力がないんです。そこがどっちつかずで八方塞がり。ただ「ヤクザってこういうイメージだよね」という記号を並べているだけ。なんかカッコよさげなヤクザのイメージの記号を並べているだけ。それもどこかで見たことのある使い古されたイメージばかり。

例えば、冒頭の10分くらいで、綾野剛が定食屋で飯を食っていたら、ヤクザの親分の舘ひろしが来て、その直後に日本刀と拳銃を持った中国人マフィアみたいなのが乱入してきて、綾野剛素手のワンパンでマフィアを一掃して舘ひろしを守るというシーンがあったんだけど。ありえないと思った。もうその時点で漫画の世界なんです。綾野剛が強すぎなんです。そんなわけあるかいと。100歩譲って綾野剛が超人的な強さだという設定の話なら、綾野剛がもっと伝説のカリスマになってないとおかしい。でもヤクザになった綾野剛のやってることはキャバレーの元締めをしてるくらい。しかも店の気に入ったホステスの女に手を出そうとして軽くあしらわれたり、ホステスに舐められてるのもおかしい。綾野剛がセコい下っ端にしか見えない。綾野剛がぜんぜん怖く見えない。前半の超人的な強さとのバランスが破綻している。そして僕はものすごい勢いで冷めていった。

あと、綾野剛が抗争しているヤクザを殺そうとするシーン、あそこはかなり重要なシーンだったと思うんだけど、全然緊張感が無くて勿体ない。人を殺しに行くってよっぽどのことなのに、そこの綾野剛の心情の描写がほとんど無く、そこへ至る感情が皆無なので、(逆にものすごいサイコキラーなのか?)拳銃を向ける瞬間とかも、色んな角度からのカットを映してカッコ良さげに溜めまくるんだけど、強調するところを間違ってるというか。そういうシーンはカッコいい演出をするところじゃないと思うんです。(そんなこともいちいち言わせないでほしい)そういう大事な部分の演出が興醒めしてしまってもうダメでした。

 

しかし、きっとこの映画の見所は「令和の時代に淘汰される存在になったヤクザの社会での立ち位置」という問題定義。そこが新しいのだろう。ヤクザって今の時代なにやってんの?っていう部分は気になりますよ。そこの人間関係にもっとフォーカスすると面白い話になった筈、なんだけどその要素があまりにも薄かった。

ヤクザが規制されて食えなくなって引退するまでは分かる。食えないからって夜の海で小さな網を使って潮干狩りみたいに密猟してるのはさすがに意味がわからん。

あと、ヤクザがSNSで投稿された写真1枚で速攻で拡散されて炎上して職場とか娘の学校まで知れ渡るとかも強引だと思う。さすがにあんな風にはならんでしょ。

やっぱ、それっぽい記号を並べているだけなんです。全体的にステレオタイプな決めつけが多い。だからストーリーもずっとありきたりで人間描写が希薄なんだと思った。

 

あと、タイトルに「家族」って文字があるけど、どこに家族の描写があったんですか?「家族」という表現がどこにあったのかどうかとか、もはやどうでもいいです。そこが一番大事な部分な気がするけど、そこが伝わらないからなにも伝わってないんだと思います。

 

もっと、言いたいことがたくさんあった気がするけど、もういいです。いろいろ偉そうに言ってすいません。なにを伝えたいのかよく分からない映画でした。