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映画 みんな!エスパーだよ!

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原作:若杉公徳

監督:園子温

出演:染谷将太

 

童貞がエスパーになって世界を救うヒーローになるという。でもヒーローもいいけどエロいことのほうが興味ある。という話。

原作は漫画で、作者はデトロイト・メタル・シティ若杉公徳。その後実写ドラマ化して、ドラマ版の監督は園子温。今作の実写映画化も監督は園子温という。

 

正直ストーリーがよくわからなかった。「童貞がいかにして世界を救うのか」と、「童貞がいかにして運命の恋人を見つけるのか」という2つの軸があって、どっちも平行線で上手く交わらずに終わった感。

「運命の恋人〜」のくだりが余計だった。童貞がエスパーになったことのほうが十分な事件なのでエスパーに焦点を絞ってくれたほうがシンプルに感情移入できた筈。

 

ストーリーが詰め込みすぎてとっ散らかるのは園子温監督の悪い癖だと思う。

 

「エスパーになってしまった。」という葛藤の描写が少なすぎて、エスパーとしての価値感が薄い。なんならエスパーあんま関係なかった。

 

終始エロと下ネタが闇雲に出ていたが、それも価値観が薄かった。エロにも節操がなくメリハリがなかった。

 

この手のギャグ漫画に細かいつっこみは野暮である。できるだけフラットな気持ちで楽しむべきだ。しかし、こんな映画でも随所に園子温監督の作家性がチラチラと垣間見えた。この監督はどんなにポップなギャグ漫画という題材でも「狂気」という作家性が隠しきれずに違和感という形で見え隠れしてしまう。

もともと園子温監督は狂った男なのだ。どうしても「冷たい熱帯魚」や「愛のむきだし」のような狂気が全開の作品と比べてしまう。「本当はこの人はもっとすげえ映画を作る人でぇ」と、過去のイメージを掘り返して期待されるのは仕方のないことだと思う。

だからこそ、今作は中途半端だと思った。そろそろ園子温の持ち味である狂気が全開の映画が見たい。