#生きている 

f:id:inu_suke:20200922185722j:plain

2020年 韓国

監督:チョ・イルヒョン / 脚本:マット・ネイラー

出演:ユ・アイン / パク・シネ

 

Netflixオリジナルの韓国映画

ある日朝起きたら突然街中がゾンビだらけになっていて、自宅マンションに引き篭もるというゾンビ映画。ここ最近のコロナ禍の影響もあり、おうち時間を過ごしている私たちにとってタイムリーな映画。

マンションに引き籠るのが比較的安全だけど、水道も電気も止まって、食糧や水が尽きてしまってからどうするのかっていう問題。外に逃げたいけど外にゾンビがたくさんいて逃げられない。ずっと家に閉じ籠っていると頭おかしくなりそう。そんな絶望感をリアルに描いている映画。そういえば「マンションに引き籠る」って設定のゾンビ映画ありそうであんまりなかった。

 

「朝起きたら街中がゾンビに」って誰しもが一度は妄想することかと思いますけど、もし実際そんなことになってしまったらみんなどうします? やっぱショッピングモールとかホームセンターに行きたいよね。でも人が集まるところはきっとゾンビもたくさんいて危険だし、考えることはみんな一緒だから既に先客の縄張り争いで揉めていたり、人間関係のトラブルに巻き込まれたりするので、やっぱ家に引き籠るのが一番…、あれ、それって俺の普段の日常と一緒じゃん。ゾンビ映画とは社会の縮図である。

 

話が外れたけど、この映画は、自分だけ一人ぼっちでどう生き残るかというシチュエーションなので、孤独と絶望の緊張感が持続するのが良いと思ったんだけど、それも中盤までで、一人の女の子と出会ってから、その緊張感が途切れてしまった感が残念。

やっぱ、ゾンビにゴリ押しで突破をしようとした途端に雑になってしまう。「あ、なんだ行けるんじゃん」とゾンビへの恐怖感が無くなって、後半どうでもよくなってしまった。いままで慎重にビビってたのなんだったのって。この「後半ゾンビに慣れる問題」は全ゾンビ映画すべてに言えることなんだけど。

ゾンビ映画はゴリ押しをしだしたら終了。

 

まあ、そんな野暮なことはどうでもいい。そのゴリ押しのアクションも様式美なのだ。「いま絶対噛まれてるだろ!」とか、主人公が間一髪ギリギリ逃げるシーンがあまりにも続きすぎると、ゾンビがわざとモタモタして手加減しているように見えてしまいがちなのだが、それもぜんぶ様式美なのだ。最初はあんなに怖かったゾンビにも愛着すら湧いてくるのである。

 

結末は生き残るか死ぬかどっちかしかないので、最後はああするしかないのだろう。いやそれにしてもちょっと後半が急に雑になっているのが気になってしまったが、細かいことはどうでもいい。ヒロインのパク・シネさんがとても可愛くてタイプなのですべて許します。

 

最近、韓国映画が面白い。同じゾンビ映画の「新感染」はかなり名作だったし、カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した「パラサイト」もかなり面白かった。今後も韓国映画に期待しています。