リリイ・シュシュのすべて

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2001年 日本

監督:岩井俊二

出演: 市原隼人 / 忍成修吾 / 蒼井優 / 伊藤歩 / 大沢たかお / 稲森いずみ

 

なんてひどいんだ。

「こうなったら嫌だなあ」と、思いつく限りの嫌なことが余すことなくギュッとつまった内容。岩井俊二の映画って大体暗いけど、この作品は集大成の暗さだ。

僕は岩井俊二のファンだけど、さすがにこれはちょっと。辛い。胸糞が悪すぎる。なんでこんなひどいことを思いつくんだ。思いついたからってやっちゃいけないだろ。ひとでなし!くそが!

と、本気で怒って取り乱してしまうくらい、物語に没入してしまった。

こんなもん十代の頃に見たら相当な影響を受けたと思う。しかし、この映画は当時リアルタイムで見ていなかったんです。20年の時を経てようやく見た筈なんだけど、なぜかレイプされた女の子が坊主になるシーンだけ記憶にある。実は見ていたけど、あまりにも辛い内容だったからって、脳が拒絶して勝手に無意識に記憶から消してしまったのだろうか…。

そんな人体の不思議な現象が起こるくらい、衝撃的な映画だったのかもしれないね。

 

それにしてもサントラの音楽が素晴らしい。劇中の架空のリリイ・シュシュというアーティストの楽曲がとにかく素晴らしい。音楽は小林武史で、歌はSalyuなんだけど本当にカッコいい。シューゲイザーアンビエントエレクトロニカあたりの音で、今聴いても全然色褪せなくてビックリする。この音楽も当時聴いていたら絶対に好きになっていた筈だ。なぜ当時聴いていなかったのかそこが一番悔やまれる。