2017年 イギリス
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー / ユエン・ブレムナー / ジョニー・リー・ミラー / ロバート・カーライル
トレインスポッティングは、僕が10代の頃に流行った映画で、とにかくこの映画が好きだと言っておけばお洒落だと思っていたし、この映画のポスターをトイレのドアに貼って照明をブラックライトにしてUnderworldを聴いていればお洒落だと思っていた。サブカルクソ野郎のバイブルであった。
そんなトレインスポッティングが、20年ぶりに続編のパート2をやるというのだから胸がザワザワした。
どうしよう。楽しみだけど見るのが怖い。劣化しているんじゃないかとか、なんならあんなに好きだったパート1ですら「ただ思い出を美化しているだけで、今見たらガッカリするかも…」と弱気になってくる。10代の頃の思い出なんて振り返れば黒歴史ばかりだ。若いとは罪だ。時間はなんて残酷なんだろう。
いや、もうとにかくこの映画が気になって気になって仕方なかった。映画を見る前にこんなにソワソワしたのはいつ以来だろうか。
考えてみたら自分が10代の頃好きだった映画が、20年の時を経てパート2が見れるなんて、そんな映画体験そうそう無い。もう二度と無い経験なんだろうなと思ったら泣けてきた。
ユアン・マクレガーが仲間と20年ぶりに再会するシーンで、自分もリアルに20年経っているから、その歳月をリアルに実感するという不思議な錯覚になった。
昔の友達に20年ぶりに会ってもさ、なんかギクシャクするじゃないすか。久しぶりすぎて何話していいのか分かんないみたいな。なんかムズがゆいというか。
そんな「オッサン達の同窓会」だった。映画のなかのキャラクターと一緒に自分も歳をとって、昔を思い出しあの頃は良かったと感傷にふけるけど、映画のなかのオッサン達は変わらずにカッコ良くて、最低のクズ野郎だったのが嬉しかった。20年という歳月の重みを感じた。
昔好きだったけど解散しちゃったバンドが、20年ぶりに再結成して、そのライヴを見に行ったら、最高にカッコいいライヴだったみたいな。
本当に最高だった。ぐうの音も出ない5億点。