ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~
2017年
監督:ティエリー・デメジエール / アルバン・トゥルレー
出演:バンジャマン・ミルピエ
ミルピエという人が、「ブラックスワンの振付師で、ナタリー・ポートマンの夫」
という、前情報だけで見に行ったんすけど。
350年以上の歴史があるオペラ座に、舞台監督として史上最年少で挑むというドキュメンタリー映画。
僕は正直、オペラ座という舞台の歴史の重みをよく知らなかった。これがどれだけ凄い挑戦なのかもピンときていない。なんて勿体ない見方をしてしまったのだろうかと。
バレエの世界をあまりにも知らな過ぎた。僕にとって猫に小判な映画だった。
そんな僕にも、ダンスの凄みに圧倒された。
画面に出てくる人、全員がストイックすぎて圧倒された。
ミルピエの仕事がとにかく忙しすぎる。スケジュールパンパン。
そりゃあ注目されてるし。
インタビューとか取材の撮影とか、「舞台の小道具どうしますか?」とか、すげえ忙しいんだけど、ダンスのレッスン以外の仕事は上の空なんすよ。ダンスのレッスンのときだけ生き生きしていた。この人はとにかくダンスが好きなんだなって。
天才ってそういうことなのかもしれない。
好きになることへの集中力が長けている人が天才になれるのかもしれない。
って思ったけど、ミルピエが天才すぎて引いた。
凡人の僕には、完成されてゆくコンテンポラリーなバレエを目で追うのが精一杯の世界だった。