DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る

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2012年 日本

監督:高橋 栄樹

 

AKB48の舞台裏を追ったドキュメンタリー映画

2011年、センターが大島優子から前田敦子に返り咲いた頃、AKB48が国民的アイドルとして人気絶頂だった頃の話である。

 

思った以上に壮絶だった。

アイドルのドキュメント映画だと思ったら戦争映画だった。現場は戦場。そこで戦う兵士達の戦争ドキュメンタリーだった。

この戦場は残酷すぎる。

 

正直、僕はAKBはそんなに興味がなかった。というか好きじゃない。売り方に嫌悪感があった。それは運営に対することであって、彼女達がどうこうというより、周りの大人達に対する疑問があった。

 

そんな僕も、こんなものを見せられては黙っていられない。胸の奥が熱くなる気持ちになってしまった。これを見て何も思わない人間がこの世にいるのか?と熱が上がってしまった。

 

あれ?ちょっとまって。

もう俺、AKBにハマってる?

 

あぶない。深い深ーーい沼だ。落ちるなよ!危険だぞ!これ以上見たら一気に沼に落ちてハマって抜け出せないぞ!ゆっくり戻ってくるんだ!

 

アイドルってすごい。アイドルは偶像であるが、現実のほうにはこんなドラマがあるのかと。アイドルとドキュメンタリーの親和性が高すぎる。

 

冒頭で前田敦子が「なにと戦ってるんだろう…。」としみじみとした表情で言っていたのが妙に説得力があった。

 

総選挙でセンターになった前田敦子のあの有名なスピーチ「わたしのことは嫌いでも、AKBのことは嫌わないでください!」

もう悲痛なSOSにしか聞こえない。

総選挙という残酷なシステムは、人に比べられ、品定めされ、注目をされてもされなくてもどっちにしろ傷つくという八方塞がりな状況に追い込まれる。周りはみんなライバルしかいないし、人間不信になってしまいそう。彼女達は自分の存在意義を探し続けていたけど、どこにも居場所がない世界だったという。

 

西武ドーム公演で、前田敦子が舞台裏で過呼吸になって倒れて、フラフラになりながらもステージにあがり、フライングゲットのイントロがはじまった瞬間、笑顔に戻って歌いだすシーンがやばかった。

あれ、ほんとなの?ドラマチックすぎない?

あのステージ、伝説すぎませんか。あの瞬間の前田敦子に鳥肌がたって震えた。

 

この映画は、日本のアイドルの歴史の重要な記録映像として貴重な資料だと思う。アイドルを目指している人は必見の映画。これを見たらアイドルを目指すことを思い留まるんじゃないだろうか。アイドルの現実が生々しく描かれている映画だった。

 

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