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downy@渋谷WWW X

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downyのワンマンライヴを見に渋谷WWW Xに行ってきた。

 

圧巻でしたよ。

 

まず、すげえ爆音だったのが嬉しかった。やっぱこれですよ。終わったあと耳がやられてモワモワしてるこの感じ久しぶり。僕が本当に好きな音楽はこれだと改めて思った次第であります。

 

それにしても、あんな爆音で、バキバキのタイトで、常にフルスイングで日本刀振り回してるみたいな尖った音なのに、4人の音をクリアに聴かせる凄さ。普通こんだけ爆音なら音つぶれまくってゴーーってなりがちだけど、各パートが尖りまくったタイトな音だからこそ輪郭がはっきりしているんだろうか。たぶんリバーブとかゼロなんだと思う。男らしい。

 

2013年に9年ぶりに活動を再開してから、ますます音の厚みが増していた。先日6枚目のニューアルバムを発表したばかりだし、いまが最高の聴きどころ。downyが好きで良かったと噛み締めている最中であります。

 

とにかくカッコ良かったんですよね。カッコ良かったとしか言えない。本当に美味いもの食べたときってなんかこう「美味い!」としか言えないでしょう。そんな感じっすよねもはや。五感が満足。第六感までも覚醒したんじゃ。これは「現場行ってこい」としか言えないです。

 

特に新しいアルバムからの曲が良かった。音源を聴いた印象よりもやはりライヴで聴くほうが良かった。ボーカルは時折鍵盤(アナログシンセ?)を弾いていたり、ベースにウッドベースが導入していたり。音のバリエーションが増えていた気もするけど、このバンドは1stのときから音楽性は全く変わってないんだなってライブを見て改めて思った。結成当初から全くブレてない。その確立した世界観を更にカチッとピントを合わせている。一切の迷いなく叩きつけてくるグルーヴがえげつない。

 

 

あと、あの独特なリズム感。宙に浮いた感じというか、変拍子が多いんだけど、これどこで拍とってんだよ?って全然リズム分かんないときがあるんですよ。なんか1個足りない不安定さ。でも、例えば3拍子も4つ集めたら4拍子になるじゃん?どんな複雑な変拍子でも、それがループしたリズムならいつかは4拍子になると思うんですよね。いつかどこかで合うんですよ。無理矢理4拍子でリズム刻んでずっとズレてるのを耐えぬいた先に、ふりだしに戻る瞬間があって、その時リズムが合う快感というか。そのループを4つ集めたら4拍子じゃん? 

なに言ってるか分からないと思うけど、あきらめないでほしい。

 

 

このバンドね、リズム隊が頭おかしいんですよ。

ドラムとベースが変態すぎる。一見でたらめなリズムなのに、しっかり規則性があってループしてるんですよ。どうしたらその変則的なループをキープできるのか。しかもちゃんと丁寧に音の粒を揃えてるからゾッとする。ストイックすぎて引く。

AphexTwinのリズムを人力でやっちゃってるみたいな。人力テクノですね。たぶん機械ではあのニュアンスって出ないと思うんですよ。多少のヨレとか走りとかは呼吸で合わせるわけで、それが人間のグルーヴであって、機械に勝る部分だと思うんですよ。そこがバンドの強みであり、downyの音楽の魅力でもあると思うんだけど、ちゃんと上手く説明できているのだろうか。

 

で、リズム隊がストイックに刻んでいるので、上物のギターは思う存分暴れているんだけど。ギターはほとんど「ノイズ」なんですよ。downyのギターのノイズって、アクセントとしてじゃなくて主線としてノイズを出すんですよね。ノイズを操ってメロディを出してる感じ。

たぶん足元に相当な数のペダルを設置して、相当音を作り込んでいるんだと思うけど、エフェクターを繋ぎすぎると音が痩せたり、機械っぽい音になりがちなんだけど、青木豊の音って、ちゃんとビンテージのフェンダーの音なんすよ。生音を活かした音。それをキープしながらなぜあんなに自在にノイズを操れるのかが不思議。どういうセッティングしたらそんな音でんのさ。

 

 

このバンドは基本リズムもメロディもループしていて、 インストだとテクノとかクラブミュージックに近い方法で、そこにボーカルギターのアルペジオと歌が乗ることでバンド音楽になるんだけど、そのボーカルは前に出てこずに、他の楽器パートと対等のバランスなんですよ。静かなアンビエントになったときにボーカルが前に出る程度のバランスなんです。歌も楽器という考え方なのかもしれない。だいたい歌謡曲ってボーカルの音って常に前に出てるじゃないですか。別に表現は自由であって、ボーカルが常にハッキリ聴こえなくてはならないというルールなんて特に無くていいと思うんです。

あと、このバンドのボーカルの特徴として「実は日本語」っていうのがあるんですけど、一見雰囲気は英詞っぽいけど実は日本語っていう。歌詞カードを読んではじめてなんて歌ってるかわかるんだけど。この「英語っぽいのに実は日本語」っていう方法は当時発明だった。我々の洋楽コンプレックスを解消した功績。この発明は全バンドマンが嫉妬したんじゃないかと。そしてその歌詞がとても文学的という抜け目のなさ。どんだけ説得力を求めれば気が済むんだ。

 

20曲ノンストップのあっという間の2時間だった。

3日くらい余韻が抜けず、耳鳴りが残っていた。

ああ、完璧なライブだった。