2015年
監督:丸山健志
出演:乃木坂46
乃木坂46というアイドルが、2011年に結成してから2015年の現在までを追ったドキュメンタリー。
乃木坂46を知らない人のための入り口というよりは、彼女達をある程度知っている人のほうが、よりグッとくる内容かもしれない。
乃木坂46は現在35人いるので、2時間という尺では全員は紹介しきれなく、パッケージの表紙の5人(上から白石麻衣、生駒里奈、西野七瀬、生田絵梨花、橋本奈々未)プラス何人かが出てくるという内容だった。
人気のあるフロントのメンバーが中心なんだなって思ったのだけど、
(ちなみに僕は橋本奈々未推し)
この映画は生駒ちゃんだ。生駒ちゃんが熱い。
みんなそれぞれドラマがあるんだけど、生駒ちゃんが一番ドラマチックだった。
素人同然で集まって、結成したての初ステージが、AKBのコンサートでのサプライズ出演だったんだけど。ゾクゾクした。マジ怖い。始まる前バックステージでAKBが円陣を組むんだけど、円陣の円がすげえデカくて、大声で気合いを入れていて、マジ怖い。
その横の隅っこで乃木坂はあたふたしながらみんな不安そうな顔で小さい円陣を組むんだけど、それだけで泣きそうになった。
そしてなんとかライヴをやりきって、最後にセンターの生駒ちゃんが震えながら挨拶をするシーン。あのシーンはやばいです。なぜか自分まで足が震えた。あの緊張感はすごい。そういう臨場感のある作りの映画だった。
それにしても、思った以上にガチだった。こんなところまで見せちゃうんだと思うくらい。絶望になりそうなヒリヒリする場面が何度かあったし、彼女達の夢と希望に溢れた純粋な気持ちが、尚更に胸の真ん中あたりがじんわりと熱くなって苦しくなった。なんだろうこの気持ちは。
常に品定めされて、人と比べられて、競争して、注目されるように頑張らねばならない。選ばれなかったら人間として否定された気分にまでなってしまう。
傷つきやすい10代の女の子には、この世界は残酷すぎる。
学校や友達や家族との普通の生活を全部犠牲にして選んだ道だけど、先の保証なんてない。まだ10代の女の子達が、人生をかけて決断をして頑張っている姿が眩しすぎて直視できなかった。
僕は37歳のオッサンだけど、そこまで頑張ってない。
彼女達は懸命に頑張っている。あの涙はみんな本物だし、なんて綺麗な涙なのかと。応援せざるおえない。まんまとハマってしまった。
こんな残酷な世界を作ったのは誰だ?秋元康か? 秋元康はなんて罪な男なんだ。許せない。しかし、試練を与えられ、それを乗り越えたからこそ成長して、こんな感動的なドラマが生まれたし、だからこそみんな乃木坂を応援しているんだと思った。秋元先生には感謝しないといけない。
この世界は残酷だけど、それ以上に夢がある世界なんだなって思った。
乃木坂46っていいグループだなって改めて思った映画。