母よ、

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2016年 イタリア

監督:ナンニ・モレッティ

出演:マルゲリータ・ブイ / ジョン・タトゥーロ / ナンニ・モレッティ

 

正直微妙だった。乗れなかった。

見終わって映画館を出たあとエレベーターを待っていたら「母よ、ご覧になりましたか?100点満点で何点でした?」と出口調査のアンケートを受けた。「45点」と答えた。苦笑いされたが、本当はもっと低い点数で答えたかった。

 

母と娘のヒューマンドラマという内容なんだけど、主人公に全く感情移入できなかった。主人公が全然好きになれなかった。

一番理解できなかったのが、体が弱ったお母さんが無理に車を運転しようとしているのを心配した娘の主人公が、「どいて!私が代わりに駐車するから!」とブチ切れて、ものすごい勢いで車を加速させてコンクリートの壁に車をガンガンぶつけるという。3回くらい車をぶつけていた。

まじで怖い。なんだこいつって思った。娘として母に苛立つ心の描写を描いているというシーンなのはわかる。だからって車ぶつけるのはやりすぎだ。せいぜい皿を割るくらいにしてほしかった。それにしてもこの主人公は情緒不安定すぎる。

 

その車ブチ切れ事件があってから僕は完全にドン引きしてしまった。その後いくら心温まるエピソードがあっても全然頭に入ってこなかった。サイコな主人公にしか見えなかった。

 

あと、主人公が夜中起きたら部屋が水漏れで浸水していてうなだれるシーンも意味不明だった。なんか淡々とした日常に、なんであんなところどころサイコなシーンが挟んであるんだ。すごく気になった。やっぱりどうしても車ブチ切れ事件が僕のなかで大きかった。「え?ハートフル映画に見せかけたサイコサスペンスなの?」と中盤混乱した。ヨーロッパ映画特有の無駄なカット(ムーディーな音楽をバックにただ歩くだけ)とかもダレる。

他のシーンが淡々としてるだけにサイコな印象が強烈にのこってしまった。きっとこの映画的には全然意図しない感想だと思う。僕の考えすぎなのかもしれない。

単純にあんまり好きじゃなかった。45点。