マイ・インターン

f:id:inu_suke:20160211010300j:plain

2015年 アメリ

監督:ナンシー・マイヤーズ

出演:ロバート・デ・ニーロ / アン・ハサウェイ

 

アン・ハサウェイが可愛かった。

アン・ハサウェイがただひたすら可愛い。アン・ハサウェイの可愛さを目で追う映画。

 

そんな感じでした。この映画の見所は。それだけ。ほんとに。

 

インターンシップがテーマなんだけど、インターンってつまり、学生に「働くという社会経験を提供するかわりに給料はタダでいい?」という都合のいい制度である。人手が足りない会社が人件費をケチった苦肉の策と、就職活動に有利と期待した学生とのwin-winの関係。そんなの建前だ。結局苦労するのは現場で働く末端の労働者なのだ。

僕はそもそもインターン自体に否定的だ。せめて安くてもアルバイトを雇うのが筋だと思っている。無料の労働に期待できるほど楽観的ではない。労働とは給料の金額に比例するべきである。筈だ。

 

この映画は、引退した70歳の老人をインターンとして雇うのだという。その老人がロバート・デ・ニーロだと。

それは意外だ。思い切った設定だ。「インターン役にロバート・デ・ニーロ使っちゃった。どう?」という出オチ。それがずっと鼻についた。役者全員がそんな顔をした演技だった。

結局「この人、ロバート・デ・ニーロなんだよなあ」というのがずっと頭から離れなかったし「俺、デニーロだけど、今回こんな感じっす。」という手の抜いたデニーロにしか見えなかった。

その意識が拭えないまま物語は進行してゆくのだけど、きっと監督は「働く女性って素敵でしょ?」という理想を描きたかったのかもしれない。理想と現実(映画)とのギャップが埋まらないままだった。埋まらないまま浅くヌルい内容だった。

意識だけ高い妄想。

それってインターンという制度のご都合主義そのものじゃないか。結局現実のインターンも、会社側が現場に丸投げした「都合のいい理想」そのものなんだから。