ザ・ウォーク

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2016年 アメリ

監督:ロバート・ゼメキス

出演:ジョゼフ・ゴードン=レヴィット / ベン・キングズレー / シャルロット・ルボン

 

これこそ映画館で見るための映画。しかも3Dで見るべき。

 

当時世界一の高さの、ニューヨークのツインタワーにケーブルを貼って綱渡りした男の話。建設中のビルに忍び込んで綱渡りするのだけど、その高さがなんと411メートルだという。正気の沙汰じゃない。完全に狂っている。

 

これが実話だっていうからすごい。

 

そんな前代未聞の綱渡りを、疑似体験できる映画だった。「ヒェッ…!」と、背中に冷たいものが流れ、手汗がすごかった。主人公の精神状態が異常だった。渡りはじめる緊張感が半端ない。集中力が研ぎ澄まされた先の、音が消える瞬間が心地よかった。その異常な光景は神にでもなったかのような光景だった。

 

映画を見終わったあと、座席から立ち上がるとき僕は足が震えていた。

「あ、地面がちゃんとある。」

一瞬だけど、歩き方を忘れたのだ。

 

帰り道、道路のタイルの継ぎ目をケーブルに見立てて、綱渡りの真似をしながら家に帰った。たった3歩でふらついた。

 

新しい疑似体験が味わえた映画だったと思う。