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自転車で東京から三浦半島に行ってきた話

丸1日かけて自転車で三浦半島に行って来た。

スタート地点は東京の二子玉川。ゴールは三浦半島の先端と決めた。

どんなコースだったのか、まずは地図をご覧下さい。

 

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赤い線が走った道で、上のスタートと書いた丸い印が東京都二子玉川。下のゴールは神奈川県三浦半島観音崎

 

走行距離(往復):120km

所要時間(往復):21時間

 

都内に在住の土地勘のある人ならこの距離感の無謀さを感じて頂けると幸いだ。

なぜこのような狂行に至ったかというと、どっか旅行にでも行きたいけどお金使いたくないからじゃあチャリで。という簡単な理由である。つまり暇なんです。

俺、いま、暇なんです。

それにしてもこの道中とても過酷だった。こんだけ地獄を味わったからどうしても不特定多数の人に伝えたくなった。自分のなかだけで消化できない。このブログを読んで少しでも疑似体験し共有してもらえたら幸いです。

 

それでは、今回の旅の愛車を紹介します。

 

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4年ほど前に近所の町の自転車屋で購入した、ごく普通のママチャリ。電動式などそんな甘い機能なんてない。たしか価格は8,900円くらい。かなりガタがきていて錆だらけだ。

近年の自転車ブームで最近よく見かけるお洒落なロードバイクではない。そういうものに比べるとスピードは半分で、身体への負担は2倍だと思われる。

持ち物は財布、iPhone、充電器、タバコ、懐中電灯。

 

AM 2:00 出発

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前日の夜22:00まで寝て、夜中の2時に出発した。目的地に日中に到着したかったというのと、都心は夜のほうが人通りが少ないからである。

走り出して30分くらいのところで警察に遭遇。職務質問を受ける。まあこんな夜中に怪しい男がプラプラ自転車に乗っていたら不審に思うのは当然だ。「これから家に帰るとこなの?」と警官特有のタメ口の質問に、「三浦半島に行くんすよ。」と爽やかに答えると、警官2人はビックリした様子で「そうなんだ…!? 頑張ってね。」という応援メッセージをいただく。前途多難である。

たぶんロードバイクでツーリングのような装備なら誰も驚かないと思う。僕の近所にコンビニに行くようなスタイルはさぞ不自然だっただろう。

 

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川崎市内。車道にジバニャンが落ちていた。車に轢かれていてかわいそうだったので歩道まで救出してやった。いま子供に大人気の妖怪ウォッチのことはよく知らないけれど、ジバニャンというキャラクターはトラックに轢かれて死んだ猫が成仏できず地縛霊となった姿という設定らしく、ほんとうに車に惹かれていたからホンモノだったのかもしれない。こいつの顔が可愛ければ可愛いほど哀愁がすごい。

 

AM 6:00 横浜到着

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横浜に到着するころに夜が明けた。写真は横浜市黄金町。道中の写真をなるべく撮って走った証拠を残したかったが、夜の間はなにを撮ってもホラーになりそうなので夜の写真は諦めた。

天気予報によると日の出は6:00ちょうど。せっかくだから朝日を拝みたいと思ったがあいにくの曇り。「どうせなら海が見えるとこで朝日」「横浜ならみなとみらいで奇麗な朝日の写真が撮れるんじゃ」とかちょっと欲がでて寄り道をしそうになったが、本来の目的からそれるのでスルー。

 

AM 6:15 朝食

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吉野家があったので、牛すき鍋膳を食べる。朝の吉野屋は肉体労働者の男たちの食堂のようだった。4時間走り続けたあとの吉野家はうますぎた。うますぎてもうこのまま帰りたいという気分になったくらい美味かった。活力にしようとしたが逆効果だった。

 

AM 6:30 朝日

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横浜を南に進んだ根岸という港あたりで朝日がでていた。ここの街は港町情緒あふれるところで、錆びついた商店街や、昭和の雰囲気が残っていていいところだった。

さっき、「横浜ならみなとみらいで奇麗な朝日の写真を〜」とか思ったのは邪念だった。すこしでも奇麗なお洒落な写真で女子に媚びようという邪念だった。そんな捏造をせずとも朝日は奇麗だった。

 

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横浜を南下し、八景島が近づくあたりに幹線道路が交差する場所があり、その高架下の隙間の道がすごかった。本来ただのコンクリートの巨大な壁が、草木がうっそうと茂っていた。この迫力が写真で伝わらないのがもどかしい。

 

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道路標識にまでツタが。自然の脅威に圧倒されてこの場を離れるのが名残惜しくなった。巨大なコンクリートの人工物が自然に飲み込まれそうになっているゾクゾク感。この感動、どれだけの人がわかってくれるのだろうか。

 

AM 9:00 横須賀

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横須賀に近づくと、年期のある倉庫のような建物が見えてきて歴史を感じた。

 

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こういう港町とかの潮風で錆びた倉庫とか工場を見ると、すごくノスタルジックな気持ちになって血が騒ぐ。

 

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横須賀といえばどぶ板通り。横浜にあるアメリカ。この通りは戦前はどぶの川に鉄の板を海軍の工場からもらって道にしていたのが由来らしい。スカジャン発祥の地で、夜になるとバーやクラブが軒を連ねる異国情緒ある通りである。朝が早すぎてほとんどお店が閉まっていたので、この通りはやっぱ夜に来るべき。

 

AM 10:00 ゴール地点変更

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いま横須賀にいます。このあとのルートですが、本当は三浦半島の最南端の城ヶ島まで行くつもりでした。帰りは西側の海沿いを走り三浦半島を一周するつもりでした。

しかし、もう体力の限界。

8時間走りっぱなし。恐ろしいことに帰りも同じ距離を同じ時間だけ走って帰らなくてはいけない。走れば走るほど帰りが辛い。もうこのへんで引き返さないと辛い。

おそらくここから城ヶ島まで、3時間くらいはかかりそう。もう無理。

ということで右側にある岬の観音崎を目指すことにした。

 

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目的地を変更してルートを変えた途端、海が広がりこのリゾート感である。近づくにつれてリゾートホテルや、海鮮料理のお店がちらほら。観音崎への期待が膨らむ。

 

AM 12:00 観音崎

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東京の二子玉川から自転車で走って9時間。この地をゴールとし折り返すことに。せっかくだから観音崎を観光してみることに。なんか色々ありそう。

 

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その前に腹ごしらえ。そういえば吉野家の牛すきしか食べてなかった。このカツカレー、とんかつがちゃんと揚げたてですごく美味しかった。

 

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まずは名所らしい灯台。そういえば灯台をこんな近くで見たのははじめて。入場料200円で上に登れた。

 

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灯台のてっぺんまで登ると、内部の光るところまで接近できた。中はこんな風になっていたのかと。

 

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上からの景色。

海にポツンと四角い建物がある。なんだろうあれ。あの四角いのが見たい。猛烈にあれを近くで見たい。

海岸沿いの遊歩道みたいな道を歩いて四角い建物を目指す。

 

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えっ。

 

なんか、工事中で、四角い建物への道が通行止めになっていた。すごく残念。たぶん自分のなかであの海に浮かぶ不思議な四角い建物は、この旅の一番のハイライトの予感がしたのでダメージがデカい。工事は来月までらしい。

別の機会にまた来よう(電車で)。

 

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森のなかには大砲の跡とか、軍事的な施設の名残が遺跡のように残っていた。横須賀の猿島に近い雰囲気の観光地らしい。

 

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自然の中に唐突にある扉。貯蔵庫かなにかだったのだろうか。

 

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大砲跡。石の階段から突き出して生えている大木。これはすごい。まるでラピュタの世界。一人で興奮して色んな角度から写真を撮りまくっていたんだけど、家族連れの観光客とかみんな素通り。観光ガイドが付いて説明して周っている観光ツアーみたいな爺婆の団体とかいたけど、みんな素通りだった。

この木を神秘的に思ったのって僕だけなんだろうか。

アンコールワットに生える大木のように育ってほしい。この感動は自分だけの胸にそっとしまっておくことにする。

 

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なんかそこらじゅうにネコがやたらいっぱいいる。一見かわいいけど目を見るとみんな意外と鋭い眼光。餌を貰えると期待して僕に擦り寄ってきたが、僕に餌は持ってないという野生の勘も鋭かった。僕への興味が無くなる見切りの早さ。甘えた可愛いい仕草はほんの数秒だった。

 

AM 14:00 温泉

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帰りは途中で見つけた温泉に入った。気持ちよすぎて生き返って死んだ。ここからまた8時間同じ道を自転車で走って帰らなくてはならないと思うと、帰りたいけど帰りたくない。永遠に温泉に浸かっていたかった。

 

AM 15:00〜23:00 帰路

帰り道、ラーメンを食べた。疲れすぎて写真を撮り忘れた。帰りの道の写真もありません。(行きと同じ道だし)気力だけで8時間自転車をこぎつづけ、23時に無事帰宅。

思った以上に時間がかかった。体中が痛い。

家の最寄り駅の駅ビルの光が見えたとき感動した。生きて帰ってこれて良かった。もう当分自転車には乗りたくない。ほんとうにありがとうございました。

 

敗因:神奈川県は坂道が多い。