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12人の怒れる男

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1957年公開 アメリカ

 

12人の陪審員が裁判の判決を議論する法廷ものミステリー。

ほとんどのシーンがひとつの部屋だけで、会話のみの密室劇。ミステリー・サスペンス映画の金字塔と呼ばれているらしい。

 

日本でも2009年に裁判員制度というものができたので、我々民間人が無作為に選ばれて、犯罪者の有罪か無罪かを決めなくてはいけないらしい。自分も他人事じゃないのである。僕は嫌だ。選ばれたくない。人を死刑にするかどうかの責任なんか負いたくない。

 

ストーリーは裁判が終わったところからはじまり、12人の陪審員に課せられた仕事は、嘘か本当かを判断して有罪か無罪かを決めろということ。

・裁判は18歳の少年が父親を殺した罪の殺人。

・有罪か無罪かの評決は12人全員が一致してなくてはいけない。

・有罪の場合は死刑。

 

責任重大である。人の命がかかっている。

しかし裁判ではあきらかに有罪と思われる殺人事件で、あっという間に有罪と決まるかと思いきや、ただ一人だけ無罪を主張し議論がはじまる。議論は平行線で白熱してゆく。この話のキモは「みんな仕方なく集められていて、早く帰りたがっている」ということ。室内が暑くてみんなイライラしていて、話はどんどんこじれていく。

 

この映画のすごいところは、本当にひとつの部屋だけでストーリーが展開している。そして、一見小難しい話なのかと構えて見たが、すごく分かりやすく描かれている。12人がそれぞれキャラが立っていて。会話だけでストーリーを成立させる力技。

 

白黒映画だし、誰が誰だか分からなくなるんじゃないか、12人もいるし、しかもみんなオッサンだし…。という心配もあったが、冒頭で「座る席は番号順で決めよう。そのほうが無難だし。」と、自然な流れでさりげなく座る位置を固定させている。親切。これかなり重要。おかげで分かりやすかった。ちなみに黒沢監督の「七人の侍」は、僕は7人が誰が誰だか見分けがつきません。

それと、冒頭の10分くらい、みんな初対面でぎこちない感じで雑談をするのだけど、その雑談の時間で12人のキャラクターがきちんと表現されている。

 

シンプルだけど一切の無駄が無い。傑作。