アンヴィル! -夢を諦めきれない男たち-

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2009年公開。アメリカ映画。

アンヴィルというメタルバンドのドキュメンタリー。

 

全バンドマン必見の映画。

僕も昔バンドをやっていたことがあったので、この映画は涙無しでは見れなかった。号泣。バンドで金を稼ごうなんて正気の沙汰じゃない。しかし、彼らは夢を諦めずに30年音楽を続けてきた。

 

1984年、日本でメタルバンドを集めたフェスのようなイベントがあって、スーパー・ロック'84という西武球場で、ボン・ジョヴィホワイトスネイクスコーピオンズ、マイケル・シェンカー・グループなどと出演したらしい。

アンヴィル以外のバンドはビッグになり何百万枚もアルバムが売れたが、アンヴィルは売れずに忘れ去られてしまった。

正直僕もアンヴィルというバンドは知らなかった。この映画ではじめて知った。

スレイヤー、メタリカアンスラックスメガデスなどのスラッシュメタル四天王と呼ばれたバンドよりも前にスラッシュメタルをはじめたバンドらしい。

と、スレイヤーのボーカルのトムが言うのだからそうなんだろう。

メタリカのドラマーのラーズ・ウルリッヒも「アンヴィルの登場は衝撃的だったね。音楽業界をひっくり返すと思ったね。」とか言ってるし、ガンズのギタリストのスラッシュも「30年間もロックし続けてるバンドなんて数えるほどしかいない。ローリングストーンズ、ザ・フー…それに、アンヴィルだ。」って、蒼々たるロックスターが彼らのことを絶賛したコメントで本編に出演しているのだ。

 

どこまでがリップサービスなんだ…!?

 

僕には皮肉にしか聞こえなかった。それが本当ならいまでも彼らと同じステージに立っている筈だ。学校の給食の配膳の仕事だってする必要もない筈だ。

ロックとは盲目であり残酷だ。僕はアンヴィルのボーカルのリップスは、ドンキホーテに見えて胸が苦しくなった。

50歳すぎたらいい加減目が覚めると思う。だけど彼らは本気なのだ。いつかビックになるんだと。まだ売れたいと思っている。売れると信じているという。

レコーディング中にメンバーがケンカしているシーンがあって、怒りながら口とか震えてて、最終的にはツバを垂らしながら泣いてて。「あ、本当にこれマジなんだ…」って思った。もう彼らのことが愛おしくて最終的に俺も泣いた。

 

そしてラストシーンで涙が止まらなくなった。

アンヴィルのことが大好きになった。アンヴィルは本当にいい奴らだった。愛すべき馬鹿野郎だ。