幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦

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ももいろクローバーZの主演映画「幕が上がる」の舞台裏のドキュメンタリー。

つまり、映画の映画。

映画の制作過程や、オフショットなどを密着した内容になっていた。

 

原作者の平田オリザさんにももクロの5人が演技指導をしてもらうシーンが面白かった。演劇の方法論を、考え方から授業を受けるように教わるのだけど、

台詞の「さて、」という言い方だけで「体が動きすぎ。」「もっと間を溜めて。」「肩が上がってる」「台本に書いてあるから言うんじゃなくて、自分の言葉で。」と、たった一言の台詞でこんなに改善点があるものなのかと感銘を受けた。

演劇の奥の深さに引き込まれた。平田オリザさんのワークショップをもっと聞いていたいと思った。全編ワークショップでもいいと思うくらい興味深い内容だった。

 

演技の仕方の奥深さを刷り込まれた状態で、映画の撮影の本番をむかえるので、じゃあ、本番はどんな風に演技をしたらいいかって意識するんだけど、自分ならどうしようとか、観客の自分も同じ目線で撮影に臨む気分になった。ももクロは役者としてまだスタートラインに立ったばかりだ、役者としてどう成長していくのかっていう過程を見せるドキュメンタリーだった。

 

そういう目線で見ると、普段そこまで意識していなかった他の役者さんの演技が際立って見える。役者ってこんなすごいことやってたんだなって改めて感じた。共演の黒木華ムロツヨシの凄さを実感した。その実力派俳優に感化されて、ももクロの5人の演技も撮影が後半になるにつれて良くなっていくのが目に見えてわかった。

 

「幕が上がる」という映画は、演劇部の高校生の成長ストーリーであったが、主演のももクロ自身も映画という舞台で成長していく内容でもあったと思う。

ももクロというグループは今まで、コンサートやライヴでたくさんの人に感動を与えていたが、その舞台裏にもドラマがあり、その裏側の素顔の部分の魅力に、たくさんの人の心を動かしてきたグループだと思う。

今回は、映画というステージでの挑戦を、どう乗り越えてきたのかという感動がドキュメントとして詰まっていた。舞台裏にこそ彼女たちの魅力が詰まっている。改めてそう感じた。

 

映画「幕が上がる」を見た