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FUJI ROCK FESTIVAL '10

フジロック3日目の最終日 8/1(日)の、一日だけ行きました。
前日まで行くか行かないかギリギリまで本当に迷ったけど、日帰りで強行的に行って来ました。

次の日は普通に月曜で仕事だけど、どうにかなるに違いないと自分に言い聞かせ、勢いでチケットを買って行ってしまった。
もちろん一人です。だって突発的に決めた事だし…。

迷って迷って迷ったあげく、どうしても苗場でトムヨークが観たくて、トムヨークの為だけに行きました。

9:30頃家を出て、上野から11:00の新幹線に乗り、新潟の越後湯沢に12:30頃到着。
駅から会場までは、シャトルバスに乗って40分ほどかかるんだけど、このバスに乗るにはかなりの長蛇の列で、1時間ほど並び、会場に到着したのが14:00頃。

来るたびに思うが苗場は遠い。 この「遠さ」だけで、かなりのリスクがある。だからこそ来ただけなのに妙な達成感がある。そして、到着しただけなのにすでにだいぶ疲れた。

天候は曇り、多少の霧雨。涼しくてちょうどよく最高のコンディション。

真っ先にグリーンステージを観ると、ドノヴァン・フランケンレイターという人がアコギでサーフロックを演奏していた。正直、誰なのかよく知らん。


それを横目に、ひとまず奥のホワイトステージへ歩く。
しかし、意気揚々とフジロックに来た訳だが、なんとなく来たという実感がない。昨日「行こう」と決めて今日このように来た訳だ。あまりにも急すぎる。とりあえず落ち着きたい。一服でもしたいところだ。

ここで、携帯灰皿を持ってくるのを忘れた事に気づく。

フジロックは数あるフェスの中でも、特にゴミが少ないクリーンなフェスとしても評判が高い。来ているお客さんはみんなゴミだけは徹底してちゃんと捨てる。みんなフジロックが好きだから、 長く続いて欲しいという意識なのだろう。もちろん俺も同じ気持ちだ。ポイ捨てなんてしたくない。

しかしタバコが吸いたいのに携帯灰皿を忘れたのは相当痛い。近くに「エコ」と書いたデッカい文字の看板があった。どうやらゴミを分別しようぜ! と、訴えている団体のテントのようだ。ここなら携帯灰皿も売っているだろう。なんせゴミの事を一番に考えている人達なのだから。

しかし携帯灰皿は売ってなかった。
携帯灰皿こそエコロジーと違うんか。

スタッフのお兄ちゃんがこう言った。
「オレンジコートにマルボロを販売しているブースがあるので、そこに行けばあるかもしれません。」
オレンジコートというステージは最も奥にある場所で、地味に遠い。片道20分はかかる。 正直行く予定はなかったが、今後の快適なフジロックを思うと携帯灰皿は是非手に入れておく必要があった。

しかしオレンジコートのマルボロブースにも無かった……。

ここで俺は、「はるばる新潟まで来て、携帯灰皿を探し求めて山道をひたすら歩き回ってなにやってんだ。」 と、我にかえった。そういえばまともにまだひとつもライヴを観ていないじゃないか。時計を見ると3時を過ぎていた。そろそろVAMPIRE WEEKENDのライヴがグリーンステージで始まる。携帯灰皿のことは諦めて、グリーンステージに戻る事にした。

 

15:40~

グリーンステージ

「VAMPIRE WEEKEND」

このバンド、なんかアメリカのインディーズチャートでバカ売れしているらしい。という、一夜漬けの知識で、 「なんかyoutubeで音を聞いたけど、良さげじゃないの?お?」 って、完全に舐めた態度で臨んだ訳ですが、かなり良かったです。

2ndアルバムのジャケットに使った女性の写真が、一般の人のポラロイド写真を勝手に使ったらしく、その女性から訴えられてしまったというエピソードもなんかマヌケでいいと思うし、彼らのファンになった。

 

16:40~

ホワイトステージ

FOALS

The Appleseed CastThe Album Leafを足したような印象。ボーカルの髭がモジャモジャだったので尚更そう思ったのかもしれんが、顔と音楽はあんま関係ないよねとかうんぬんかんぬん。タイトなキレのあるエモバンドを期待したが、予想よりじっとりしたオルタナだった。

 

再びグリーンステージへ
向かう途中の道中、ブンブンの轟音が聴こえてきた。

 

17:20~

グリーンステージ

BOOM BOOM SATELLITES

今日一番の爆音。とにかく音がでかい。グルーヴが気持ちいい。数年前に見た渋谷AX以来だけど、グリーンステージでのブンブンはまた格別なスケール感がある。

 

しかし、ここでどうしてもトイレが我慢できなくなり、トイレへ……。

次はATOMS FOR PEACEが控えている為、そろそろ準備を整えなければならない。トイレは基本すごく並ぶ為、スケジュールのひとつに組み込まなくてはいけないほどだ。

 

そうだ、俺は今日ATOMS FOR PEACEを見る為だけにはるばるここまでやってきたんだ。苗場でトムヨークを見るためだけの為に突発的にきたのだ…。

 

トイレは絶望的なほどの長蛇の列。

考えることはみんな一緒なのだろうか…。

 

トイレの長い列で並んでいると林を隔ててブンブン轟音の残響が風に乗って響く。これもなかなかいい…。ブンブンの爆音が森や林に吸収されていくのが壮大だ…。

 

トイレを済ませ、オアシスで買ったカレーをグリーンステージ後方の芝生に座り食べながらステージの転換作業を眺める。

いよいよATOMS FOR PEACEがはじまると思うと胸が高まった。

するとステージからアナウンスが。
「このあと、こちらグリーンステージでは、たくさんの人の移動と混雑が予想されます。 くれぐれも安全を確認の上ご協力お願い致します。」
みたいな注意事項を言われ気分が盛り上がる。

確かにどんどん人が増えている。もうすでに前の方は訳が分からんくらいの人の波だ。

 

どのタイミングで前に行こうかとか、なるべく直前まで芝生で座って体力を温存しようかとか色々考えていたけど、気がついたら俺はステージに向かって走っていた。足下のぬかるんだ泥と、人の波でうまく前に進めない。泥に何度か足を取られながら、少しずつ前に、前に、PAのちょっと後方あたりで、ちょうどいいポジションを見つけようかと思ったそのとき、ステージが暗転し真っ暗になった。

その瞬間、割れんばかりの歓声とともに人の波の移動が早まった。後ろから押されるように更に前に進んだ。

ATOMS FOR PEACEのライヴがついにはじまった。

Vo、G/トム・ヨークRADIOHEAD
B/フリー(Red Hot Chili Peppers

Dr/ジョーイ・ワロンカー (BECK、REM)

key、Pro/ナイジェル・ゴドリッチ
パーカッション/マウロ・レフォスコ

 

という恐ろしいメンバーなんすけど、

もともとトムヨークのソロアルバムをライヴで再現するために集まったらしい。豪華すぎて笑いが止まらない。

しかもこのメンバーでの演奏はいまのところライヴだけらしいので、ソロアルバムとどうアレンジを変えてくるのかが気になる。アルバムはほぼ打ち込みなので、バンド編成でどうやってライヴをするのか…。

特にフリーのベースが気になる。どんな演奏なのか…。というかレディオヘッドのトムヨークとレッチリのフリーが一緒にいるステージとか…。

 

想像しただけでやばすぎて笑いが止まらない。

 

というか、ちゃんと成立するのか…? トムヨークもフリーも個性が強すぎるから、殺し合いになるんじゃないか…? 大トロに特上カルビを巻いて食べるくらいわけ分かんなくなるんじゃないか? とか事前に色々想像をふくらませていたのだが、

 

フリーは、トムの歌を引き立てるように、一歩引いて演奏しているように見えた。しかし、フリーのベースのチョッパーとトムのギターのカッティングが混ざった瞬間、俺は両手を頭にかかえ悶絶した。フリーは一歩引いててもやっぱり存在感が隠しきれない。カッコ良すぎてついつい目で追ってしまう。

 

なんかもうステージの上の出来事が非現実すぎて、頭が追いつかないうちにあっという間にライヴが終わった。

 

無理して来て本当によかった…。

 

しかし、噛み締める暇もなく、俺はその場を離れ、急いでバス乗り場に向かわなければならない。最終の新幹線に乗って東京に帰らなくてはいけない。明日の月曜日の朝、普通に会社に出勤しなければいかん。

 もう結局、最初から最後まで実感がないまま、現実と夢の時間のギャップに苦しんだ。

 「トリのMassive Attackを見ないで帰る」という贅沢すぎる暴挙も味わった。

 

なんとか最終の新幹線にも間に合い、無事に東京に帰って、次の日も遅刻せず出勤できたんですけど、ほんとうに疲れた。フジロック最終日のみの日帰りは、よほどのことがない限りおすすめしません。

 

今回はよほどのことだったからこんな無理ができた気がした。すべてチャラにするくらい見に行って本当に良かったけれども、いくら思い返してもやっぱり夢のような時間だった。