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ウィルコ・ジョンソン@南青山レッドシューズ

ウィルコ・ジョンソンが、すい臓癌の末期であると公表し、

そしていまウィルコは来日しており、南青山のレッドシューズというライヴハウスで1/10にライヴがあるという。つまり今日。

僕はその事を今日の昼頃に知ったのだが、既に前売りの予約は終了していたのだけど、「とりあえず行けばもしかしたら当日券で入れるかもしれない」「行くだけでも行ってみよう」ということで現場に向かった。

もう居ても立ってもいられない気持ちだった。

 

ウィルコ・ジョンソンといえばDr.Feelgoodのギタリストで、Dr Feelgoodというバンドは70年代のイギリスのバンドで、彼のマシンガンのような鋭いカッティングギターはのちの多くのミュージシャンに影響を与えたという。

 

 

去年朝霧JAMで彼のライヴを見たが、もう最後になるかもしれないと思うと見ないと一生後悔すると思った。

レッドシューズのHPによると、20:00オープン、21:00スタート。

18:30頃に現場に到着も既に200人ほどの列が…。

受付に行くと「予約のお客さんも当日券のお客さんも一緒に並んでいます。当日券の方は入れるか分かりませんが出来るだけ入れるだけ入ってもらおうかと…」

通常のキャパは150人ほどらしい。

「入れるのか……?」と不安になりながらもひとまず並ぶ。

その後もどんどん列は長くなっていく。

オープンの20:00になって予約の客から優先的に入っていき

スタートの21:00をすぎても当日の客の列は一向に動きは見られない。おそらく300人は並んでいるかと、僕らはその真ん中あたりなので前にまだ200人くらいいる。

もう一度言うが普段のキャパは150人だ。

「入れるのか………?」

それでもまだ人が集まってきている。タクシーで駆けつけた人も沢山いて、辺りは独特な空気に。仕事帰りのサラリーマンのおじさんに「これは何の行列なんですか?」と不思議そうに聞かれた。

ウィルコ・ジョンソンのライヴがあるんですよ。」

 

21:30頃ようやく当日券待ちの列が動く。

寒空の中、3時間ほど並び外の受付まで到着しチケット代を支払ったが、地下に降りる階段の途中で列が詰まって動かない。入り口までたどり着けない。

チケット代を払ったにもかかわらず、なんと中に入れないという…!

開いているドアの向こうから音が聞こえる。

ウィルコ・ジョンソンがステージに出てきたらしい歓声が中から聞こえてきた。

外からも歓声が(外の受付にモニターが置いてあり中の様子が映されている)

もう入れないと諦めた100人以上の人達は外のモニターでライヴを見ているようだ。

中の状況が全く分からない!!

前にも後ろにも行けない!!

しばらく外の階段で音だけを聴く。

もう半分諦めていた。来ただけでも意味があるんだよ。これもいい思い出じゃないかと自分に言い聞かせた。今回のチケット代はすべてウィルコの意向で東北に寄付するのだという、それが唯一の救いだと思った。僕のチケット代も寄付をしてくれれば幸いだ。

僕の列の周辺の客達も同じ境遇で次第に妙な連帯感が芽生えた。

階段で状況が分からなくても音だけで盛り上がれる、そんな状況が楽しく思えてきた。

中から出てくる客が来るたびに「出まーす」「通してくださーい」と、協力して道を開けるチームワークまで生まれた。

きっと中はギュウギュウで暑さと人の波に耐えられなくなって脱落した者が何人も出てくる。その度にちょっとずつ前に進めた。もうこれは我慢比べだ。

店は朝まで営業する予定らしい、きっと終電が近づく頃が中に入れるチャンスだ。ちょっとずつ入り口に近づく(それでもまだ階段)

ステージから「チバユウスケーー!!」という声が上がり、よりいっそう沸き立つ。

どうやらチバユウスケがステージに現れたらしい。

しかし見えない!中の状況が分からない!!

どうやらベンジー、シーナ&ザ・ロケッツ、ルースターズの花田さん…色んなミュージシャンが中にいて飛び入りでセッションしているらしい。

他にも続々とゲスト出演している様子だが、なんせ中の状況が分からない!!もどかしすぎる!!!

どうなってるんだよ!まじカオスだよ。

おそらくみんなウィルコに会いに急遽駆けつけたらしい。

とにかく中に入りたい。しかし人の壁ががっちりと鉄のように動かない。

入り口まで数センチの所まで来たというのに中に入れない…。

とりあえず中に入るだけでいい…。

 

そして、ウィルコが「センキュー! good night!」と言ったあとDr.FeelgoodのShe Does It Rightという曲が始まり、もう最後の曲っぽい雰囲気になると列に今までにない大きな動きがでた。

終電を気にしだした客が大きく移動を始め、そのどさくさでようやく中へ!

遠かった…入り口が遠かった。やっと中に入れた…中の全貌が広がる。

その後2曲演奏してくれて、ラスト2曲だけ見れた。

良かった…本当に良かった。やっと見れた。それだけで泣きそうになった。

 

23:30頃ライヴが終わり、その後DJタイムになり続々と客が帰って行くなか、改めてステージの様子だけでも見たいと奥へ進むと、

なんとチバユウスケさんが客に紛れて普通に立っていた。

そしてミーハー心を全面に出しながらチバさんに握手をしてもらうとガッシリと握り返してくれた、思わず「ありがとうございます!!」と頭を下げたら笑っていた。すごくいい人で感激でしばらく放心した。

その他にも著名人らしい独特のオーラが隠しきれない人達が沢山ウロウロしていて。すごい空間だった。ついついキョロキョロしてしまった。

ウィルコ・ジョンソンも奥のソファーに座って共演者とくつろいでいた。さすがにその中に入る勇気などなく遠目から見て「ほ…本物だ……」と挙動不審になっていた。もうその場にいたってだけで満足してしまった。

 

本当に行って良かったです。一生の思い出になりました。

ライヴを見に行ってあんなに興奮したのはいつ以来だろうか、ワクワクしたし感動した。ロックが好きで本当に良かった。宝物のような夜でした。

ウィルコ・ジョンソンありがとう。