原作:古谷実
監督・脚本:園子温
原作の古谷実のファンだし、監督が園子温だし、主演が染谷将太と二階堂ふみということで、そりゃあ期待して観に行った。
元がシリアスなストーリーだし、園子温のことだからぶっとんだ映画にするのかと。
しかし原作が好きすぎると、ちょっとした改変は気になってしまうのは仕方ない。見る側も映画は映画と割り切って見たほうがいい。漫画が原作の映画化はただでさえハードルが上がりきっている。そのへんの理解はしているつもりである。
とはいえ、やっぱりこの漫画はラストシーンが一番重要であり、ラストシーンにこそこの原作の漫画の、結末の余韻が物語の意味を持ってると思う。そこが大きく変わっていたのがとても残念で仕方ない。
それと、茶沢さんの家庭も問題をかかえてるという改変もいらないと思った。茶沢さんはごく普通の女子高生にしないと主人公の問題が際立たなくなり、収集がつかなくなる。ただでさえ漫画を映画サイズにするには尺が足りないのだから。
冒頭の震災の映像も蛇足としか思えなかった。
期待しすぎたのかもしれない。思っていたのとちょっと違った。
原作があるが故のしがらみでの園子温のアクの強さが薄れていた。原作との改変で古谷実の世界観も崩れていた。どっちつかずのものになってしまったと思った。