イントゥ・ザ・ワイルド

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現実が嫌になってなにもかも捨ててアラスカに放浪する話なんですけど、

僕もたまに嫌なことがあったらひたすら遠くにあてもなく行きたくなる放浪癖があるから、主人公の気持ちはよく分かる。

でもよく「自分探しの旅」という使い古された言葉があるけど、結局はなにも見つからないんすよね。自分に酔ってるだけなんですよ。どうせ家に帰ってくるわけだし。

安全な環境で、帰り道の分のお金も持ってて、毎月家賃を払ってる帰る家がある。そんなもんただの旅行ですよ。

しかし、この主人公は有り金すべて寄付して、自分の車も捨て、身分証も切り刻んで旅に向かい、旅の果ての極限の状態の死に間際にようやく「本当の幸せ」の真理を悟るわけです。

 

いくら「本当の幸せ」がなんなのか分かっても死んでしまっては意味がないじゃないか。僕はこの主人公はバカだと思った。生きて家に帰ってこいよ。と思った。

 

最後、エンドロールが流れる直前に、この映画が実話だったということを知り、一枚の写真が映った。それはこの主人公のモデルになった本人の写真だった。ポラロイドカメラにフィルムが残っていて彼が亡くなったあとに現像されたものらしい。

寝泊まりしていたバスの前に座っている写真なんすけど、ものすごくいい笑顔で…それを見て僕はぼろぼろと涙が出た。

実話だと知らないで見たから尚更その写真を見た瞬間涙が止まらなくなった。

そしてやっぱり「生きて家に帰ってこいよ…」と思った。