ダンケルク

f:id:inu_suke:20170918134944j:plain

2017年 イギリス

監督:クリストファー・ノーラン

出演:フィン・ホワイトヘッド

 

クリストファー・ノーラン監督の新作映画」ということで見に行った。ノーランなら間違いなく面白いだろうという期待をこめて、前情報を全く入れずに、予告もあらすじも見ずに臨んだら大怪我をした。

 

極端に説明を省き、とにかくリアリティを追求した新しい戦争映画だった。

開幕早々からずっと逃げてるんだけど、誰もなんの説明もしてくれない。主人公はほとんどなにも喋らずに必死に逃げている。とにかく逃げていることは分かった。

たしかにすごい臨場感、まるで自分もそこにいるかのよう。

しかし、いま自分がどこにいて、いまいつの時代の何年で、なにをしているのかが分からずに、ひたすら逃げている。ずっと現場。戦争やばい。戦争超こわい。

 

1940年の第二次世界大戦、ベルギーの国境から約10キロのフランスの最北部、ダンケルク海岸で、ドイツ軍に包囲されたイギリス軍30万人は戦場から撤退をするダイナモ作戦をよぎなくされた。

はたして30万人もの兵士が全員無事に故郷に帰れるか??という、実話にもとずいたストーリー。

 

一人の兵士(主人公)の視点でその撤退の模様を描いている映画なんだけど、僕はその前情報が全く無いので戦場になにも知らずに放り出された気分なのである。

誰もなんの説明もしてくれない。とにかく孤独だった。みんな逃げるのに必死で誰もなにも教えてくれない、

すいません!なんか船に乗るためにみんな列になってるけど、どこに行くんですか!!??というかここはどこなんですか!??いまなにが起こってるの??戦争なの??なんか戦闘機が攻めてきた!!うわあああああああ!!!!!にげろ!!!!

 

って、ずっと逃げてた。

息つく暇がない。唯一、船に乗り込んだら、紅茶とパン(ジャムを塗っただけの食パン)がふるまわれ、ようやく落ち着いたと思った矢先、魚雷がドカーンと飛んできて船は沈没。浸水。溺れ死にそうになるという。ひどくないすか!?ゆっくりパンも食わせてくれない。

 

あ、でも、この状況説明が無いっていう作りは、正しいのかもしれない。

当時の現場にいた兵士たちは、もしかしたらこんな風にいまどういう状況になっているのかよくわからない状態で戦っていたのかもしれない。

 

限りなくリアルにこだわった作品だった。戦場を疑似体験できる映画。